Clashの3つのモードの違い
Windowsのシステムプロキシに対応していないアプリもプロキシ経由にしたい場合は、Clash Verge RevのTUNモードが便利です。管理者権限や仮想ネットワークアダプターの確認から、画面上の有効化手順、通信テストまで解説。起動できないときやVPNと競合するときの確認ポイントも紹介します。
TUNモードの役割と、通常のプロキシ設定との違い
Windows上のアプリがシステムプロキシを使わない場合でも通信をClash Verge Revに取り込みたいときは、TUNモードが選択肢になります。通常のシステムプロキシは、Windowsのプロキシ設定を参照するアプリの通信を中継します。一方、TUNモードは仮想ネットワークアダプターを使い、対応する経路の通信をmihomoコアへ取り込みます。そのため、システムプロキシの設定を参照しないアプリでも、ルールに沿った処理が可能になることがあります。
TUNは通信を取り込む仕組みであり、出口を決める「Rule」「Global」「Direct」といった動作モードとは別の設定です。たとえばTUNを有効にしてRuleモードを使う場合、取り込まれた通信は有効なルールとポリシーグループに従って処理されます。TUNをオンにしただけで、すべての通信が必ずプロキシノードを通るわけではありません。
Windowsの権限と既存VPNを先に確認する
TUNでは仮想ネットワークアダプターの作成やルーティングの変更が必要になるため、一般的なシステムプロキシより高い権限を要します。Clash Verge Revの設定画面に「サービスモード」やTUN用サービスの状態が表示される場合は、TUNのスイッチを操作する前に、その状態を確認してください。表示名や設定場所はアプリのバージョンによって異なることがあります。
- Clash Verge Revの「設定」を開き、TUNまたはサービスに関する項目を探します。現在のアプリバージョンも「概要」などの画面で控えておきます。
- サービスをインストールまたは起動する操作が表示される場合は、画面の案内に従います。Windowsのユーザーアカウント制御が出たときは、発行元と操作内容を確認してから許可してください。
- Windowsの「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」で、接続中の別VPNがないか確認します。企業用VPN、ゲーム用ネットワークソフト、仮想マシン用アダプターなども、ルートやDNSの競合要因になることがあります。
- 現在の状態を記録してから、競合が疑われるVPNを正規の方法で一時切断します。必要な業務用VPNを勝手に無効化するのではなく、管理者に確認してください。
管理者としてアプリ全体を毎回起動する方法は、最初の対処として常に必要とは限りません。サービスのインストールや権限付与など、アプリが案内する操作を優先し、出所の分からないサービス登録コマンドやドライバーを追加しないでください。
Clash Verge RevでTUNを有効にする
設定項目の名称や配置はリリースによって変わるため、画面上の表記を確認しながら進めます。一般には、Clash Verge Revの「設定」内にある「システム設定」または「Clash設定」付近にTUNの切り替えがあります。見つからない場合は、アプリのバージョンを確認し、別のクライアント向けの手順と混同していないか確かめてください。
- Clash Verge Revを開き、まず通常のプロファイルが読み込まれていることを確認します。コアが停止中だったり、設定の解析エラーが出ていたりする場合は、先にその問題を解決します。
- 設定画面でTUNモードをオンにします。サービスのインストールや起動を求められた場合は、表示される説明を読み、必要な権限を許可します。
- 設定に「自動ルート」「自動インターフェース検出」「DNSの経路」などの項目がある場合は、意味を確認してから変更します。初回は複数の項目を一度に変えず、通常の既定値で起動するかを試すと原因を切り分けやすくなります。
- 変更後、TUNの状態表示とmihomoのログを確認します。エラーが出た場合は、表示された文言と発生時刻を控えてください。状態が有効になっていても、接続テストが完了するまでは通信全体が正常とは判断できません。
TUNを有効にした後も、モードは用途に合わせて選びます。通常利用ではRuleモードを使い、ルールとポリシーグループを確認するのが基本です。特定のノードの動作確認では一時的にGlobalモードを使えますが、テスト後は意図したモードへ戻してください。Directを選んだ通信は、プロキシノードを経由しません。
テスト前に記録する項目
- Clash Verge Revのバージョン
- mihomoコアの状態
- TUNとサービスの状態
- 動作モードと選択中のポリシー
- 接続に失敗した時刻とログの内容
通信をテストして、取り込みと出口を分けて確認する
まずブラウザーで普段アクセスできるHTTPSサイトを開き、次にシステムプロキシを使わないことが分かっているアプリでも、通信が成立するかを確認します。WindowsのPowerShellでは、到達性を調べる例として次のコマンドを実行できます。応答がない場合でも、サイト側の制限やネットワーク環境による可能性があるため、単独の結果だけでTUNの故障とは判断しないでください。
curl.exe -I --max-time 10 https://example.com
続いてClash Verge Revの接続ログや通信一覧を開き、テストした時刻に該当する接続が記録されているか確認します。接続が表示され、ルールとポリシーが想定どおりなら、少なくともその通信はクライアントに取り込まれています。接続がない場合は、アプリが通信しているか、TUNが稼働しているか、除外設定や競合するネットワーク機能がないかを順番に調べます。
| 確認結果 | 次に確認すること |
|---|---|
| 接続ログがあり、想定したポリシーに一致する | 選択中のノードやポリシーグループの状態、実際の接続先への到達性を確認します。 |
| 接続ログはあるが、意図しない出口になる | Rule、Global、Directのモード、ルールの順序、ポリシーグループの選択先を確認します。 |
| 接続ログに該当通信が見つからない | TUNサービス、仮想アダプター、アプリの通信状況、除外設定、別VPNとの競合を調べます。 |
| ブラウザーは使えるが、特定のアプリだけ失敗する | そのアプリの通信方式、DNSの扱い、ローカルネットワーク接続、アプリ固有のVPN制限を確認します。 |
検証中は、TUN、DNS、モード、ルールを同時に変更しないでください。1項目だけ変更して同じ接続を再テストすれば、どの変更が結果に影響したかを追いやすくなります。動作確認が終わったら、一時的なGlobal設定や切断したVPNを必要に応じて元へ戻します。
起動エラーやVPN競合を切り分ける
サービスや権限に関するエラーが出る
TUNの切り替え時にサービスの起動失敗やアクセス拒否が記録された場合は、Clash Verge Revのサービス状態、Windowsの確認ダイアログ、アプリとコアのログを照合します。アプリを一度終了して再起動し、サービスが停止したままなら、設定画面に用意された修復・インストール操作があるか確認してください。ログにポートや設定ファイルのエラーがある場合は、権限の問題と決めつけず、該当箇所を分けて調べます。
VPN接続後に通信できない、または一部だけ失敗する
複数のVPNやネットワークフィルターが同時に経路を変更すると、優先されるルートやDNSの経路が想定と異なることがあります。利用中の別VPNを正規の方法で切断し、同じテストを再実行してください。改善した場合は競合の可能性がありますが、常に併用できないとは限りません。業務用VPNでは、併用可否や必要な除外設定を管理者に確認します。
通信が戻らない場合は段階的に元へ戻す
まずClash Verge RevからTUNを無効にし、サービス状態を確認してから、必要に応じてアプリを終了します。その後、切断していたVPNやネットワークソフトを元の状態に戻し、Windowsのネットワーク接続を再確認してください。仮想アダプターやルートを手作業で一括削除すると、ほかのソフトに必要な設定まで失うおそれがあります。原因が特定できない場合は、削除や初期化を急がず、発生時刻、エラー文、アプリとコアのバージョンを記録して調査します。